空色なキモチ

□ 満月の夜に見る夢は □

満月の夜に見る夢は 第3章 第44夜 閑話

 
 その日の終業前、三浦さんに話す時間を作ってもらった。

 昨日のこと、ちゃんと伝えておかないといけないと思ったから。
 いろいろ心配かけちゃったし……。


「ん。詳しい理由はわからないけど、雨宮と仲直りしたってわけ、ね」

「えっ?」


 まだ何も話してないのになんでっ?
 話そうとしたことを言い当てられて呆然としていると、三浦さんが苦笑いでわたしを指差した。


「首元、キスマークついてる」

「ええっ?」

 
 慌てて両首を両手で隠す。
 昼休みにつけられたんだ! 信じられない! なんでよりによって見えるところにーっ。
 恥ずかしくて俯くしかできなかった。

 他の人にも見られてるのかもしれない……でも、午後はずっとPC室で入力してたし幸いお茶汲みもなかったから平気かな。


「オレにとっては残念だけど、風間ちゃんが幸せなら……いいよ」

「三浦さん……」


 少しだけ顔を歪めて三浦さんが微笑む。
 明らかに作り笑いだけど、無理してわたしのために笑ってくれているんだ。
 なんでこんな素敵な人がわたしなんかをって考えてしまう。


「ほら、そんな顔しない。風間ちゃんは笑ってたほうがかわいいよ」

「……」


 顔に血液が集結しているんじゃないかってくらい熱く感じる。
 かわいいなんて言われ慣れてないから……あ、でも翔吾さんはよく言ってくれている。
 どこがどういうふうにかわいいのかよくわからないけど、うれしい。


「はい、ありがとうございます」


 自分も微妙に作り笑いになっていることに気づいた。
 ごめんなさい、とはあえて言わなかった。謝ったら逆に悪い気がしたから。
 それならお礼を伝えた方がいいって思ったの。


「ケンカしたらオレのところにおいで。いつでもとなり空けておくから」

「――!!」

「またクマさんのところ行ってもいいしね」


 首元を隠したままうなずくと、三浦さんも小さく笑ってうなずいた。



 三浦さんには本当に助けられた。
 いつも人を思いやってくれる優しくて素敵な三浦さん。

 幸せになってほしいって、心から思った。



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Date:2013/02/08
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Thema:オリジナル小説
Janre:小説・文学

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