空色なキモチ

□ 掌の鼓動 □

掌の鼓動 30

第三十話

現在 21




 意識を失うようにして眠りについていたことも知らず、目覚めたら背中から郁弥に抱きしめられていていることに息を飲んだ。

 ――そうだ、昨日ちゃんとつきあおうって言われたんだっけ

 身体がとっても暖かい。
 耳元ですうすうと寝息をたてる郁弥を起こさないように有紗はもう一度目を閉じた。
 

**


 次に起きた時はすでに十時を回っていた。
 一緒に風呂に入り、お互いの身体を洗いあったりしてはしゃいでいたら長くつかりすぎたようで、有紗は軽い湯あたりを起こしてしまった。
 郁弥が優しく介抱し、水を飲ませてベッドへ運んでくれた。今までだったら想像もできないことを今の郁弥はしてくれる。それがうれしくて有紗は泣きそうになる。
 郁弥は今までできなかった分精一杯有紗に尽くすと誓い、会えない期間にあったことをゆっくりと話した。
 過去のことや高校を卒業したら園田家に行くこと、そして郁人や音葉のこと。
 昨日聞いていたことも含めて楽しそうに話すものだから、有紗までうれしくなって自然に手を握り合っていた。

 郁弥には愛してくれる家族がいる。
 それがわかっただけでも自分のことのように幸せな気持ちになれた。
 ベッドサイドに腰をかけ、有紗の頭を撫でる郁弥がふいに口を開いた。

「有紗はきっと愛されて育ったんだろう。だからこんなにも暖かくて優しいんだろうな」

 その言葉に有紗の表情から笑みが消えた。
 それを見た郁弥が不思議そうに首を傾げる。

 違う、そうじゃない。
 そう言おうとしたけど、言葉にならなかった。

「有紗は卒業したらどうするの?」

 急に違う話になり安堵した有紗は起きあがり、目線をあわせて郁弥に就職することを話した。産婦人科病院の看護助手だと話すとぴったりだと言われた。

 いつか郁弥に話さないといけない。
 就職先の病院の先生が自分を救ってくれた人であること、自分は親に見捨てられて育ったことを。
 郁弥が話してくれたのだから自分もちゃんと話したい。そう思っていた。

 その後プレゼントのマフラーのお返しをしたいと郁弥が言うも、その申し出を有紗はあっさり断った。
 手作りだしかかったのは時間だけだからと固辞するともっと贅沢になっていいのにと唇を尖らされる。
 それなら誕生日はと尋ねられ、卒業式後だと伝えると郁弥がほしいものをプレゼントしてくれると約束してくれた。それがまたうれしくてぎゅっと抱きついた有紗を郁弥が優しく抱きしめた。

「絶対ね」
「もちろん」

 今まではうれしくなかった誕生日。
 それが待ち遠しく思えることが幸せだと有紗は喜びを噛みしめていた。

 
 名残惜しい気持ちを抑え、有紗は昼から書店のバイトに向かった。
 昨日と同じ服を着ているのを同じ時間から入るバイト仲間にバレないように少しだけ時間をずらして早めに入った。
 
 今日は郁弥に会えない。
 夜は天道家のクリスマスパーティーの日だ。
 郁弥の家を出る頃、圭理からメールが来ていたのに気づいた。
 ゆうべの分娩は難産で今朝方までかかり、午前中の診察を終えてから家に帰るとのことだった。だけど夜には起きるから圭理のマンションの方に来てほしいと。
 いつもなら天道家でパーティーをするけど、今年は圭理がひとり暮らしをはじめたからそっちでするのかもしれないと思って『了解』とだけ手短に返信しておいた。


**
 
 
 仕事を終え、一度家に帰ってから軽くシャワーを浴び、着替えを済ませる。おしゃれな服は持っていないから、いつも通りの白いセーターと赤のタータンチェックのミニスカート、黒のニーハイに学校にも着て行っている紺のダッフルコートを羽織る。
 圭理へのプレゼントを忘れ、慌てて家に戻ると昨日ひねった右足首がずきりと痛んだ。
 昨日は幸せすぎて痛みを忘れていたみたいだ。それがおかしくて有紗はひとりで笑ってしまっていた。

 圭理のマンションに着いたのは二十一時を過ぎていた。
 バイトを終えたあとメールをしてそのくらいに向かうことは伝えてあったので、インターホンを鳴らすとすぐに圭理が扉を開けてくれた。
 紺色のルームウェアに身を包んだ圭理のその顔は酷く疲れているように見える。目の下にはくっきりとした隈が張っていた。
 圭理の寂しげな瞳が有紗を捉え、すぐにきゅっと細められる。
 だけど心では泣いているようなその笑みに胸がぐっと苦しくなってしまう。
 上がるように促され、玄関の扉を押さえてくれている圭理の横を通り過ぎると強いアルコールの匂いがした。こんな圭理は初めてだった。頭もぼさぼさで、無精髭も生えている。いつもは家にいてもシャツとスラックスを身に纏い、髪型もきっちりとしているのに。

「ごめん、シャワー浴びてくる」

 そう言い残して浴室に消えてゆく圭理の足取りはややふらついているように見えた。
 もしかしたら眠れなくてたくさんお酒を飲んだのかもしれない。その匂いが残っているのかも。きっと有紗のために無理して起きてくれたに違いない。そう思ったら申し訳なくなった。
 圭理には本当に迷惑ばかりかけている。そんな自分が情けなくてしょうがなかった。

 リビングのテーブルの上にケーキの箱とシャンパングラスが二つ置かれていた。
 なんで二つなんだろう。そう言えば玄関には圭理の靴しかおいてなかった。朋美はこれから来るのかもしれない。もしかしたら理平も来れるかも、そう思ってシャンパングラスを二つ追加して出した。
 
 シャワーを済ませた圭理はいつも通りの身なりになっていた。
 髪もすっかりきれいにまとめ、無精髭も剃られている。ただ目はまだわずかにうつろなように見える。

「あれ? グラス増えてる?」
「うん、だって二つじゃ」
「二つでいいんだ」

 疲れた表情でにこりと微笑む圭理の髪が濡れていて、肩口に雫を落とす。それにどきりとした有紗は無意識に唾を飲み込んでいた。
 圭理は色気のある美形な男性だと思っていた。もし、こういう風な関わりを持っていなかったら確実に惹かれてしまう気がする。そんなふうに考えてしまう自分がおかしく感じた。

「もしかして母さんが来ると思ってた?」
「うん、だっていつも」
「今日はコーラスの仲間のパーティーなんだって。オレと二人じゃいや?」

 まさか、と言うとうれしそうに笑い、キッチンに立った圭理が手早くカルボナーラを作ってくれた。一緒に小さめのチキンと小皿に盛りつけたサラダが出てくる。

「あとはこれ。有紗に飲ませたくって」

 いそいそと持ってきたのは白のシャンパン。
 向かい合わせに座った圭理がシャンパンのコルクをいい音をたてて開ける。それを目の前に置かれたグラスに注がれるのをじっと見つめていた。
 いつもなら圭理が話を振ってくれるところだけど今日は違う。来た時から有紗と目を合わせようとしない。よそよそしい圭理にいたたまれなくなった。昨日拓弥と話していたことを聞かれたせいだということはわかっていた。圭理はきっと静かに怒っているのだろう。
 
「圭くん、あの」
「早く食べよう。冷めるとまずくなるから」

 まるで遮るように促される。圭理もさっさと食べ始め、話すような雰囲気ではなかった。
 胸に何かが閊えているような息苦しさを感じながらパスタを口にする。おいしくて笑みを浮かべると、圭理が小さな声で笑った。

「有紗はなんでもおいしそうに食べるよな」
「なんでもって……圭くんの料理がおいしいからだよ」
「そーですか。それは光栄です」

 おどけたようにぺこっと頭を下げる圭理を見て、少しだけほっとしていた。
 このままいつもの穏やかな空気になってほしい、そう祈るような気持ちだった。
 喉を潤そうとシャンパングラスを手に取り、口に運んだ瞬間昨日郁弥の家で飲んだものとは違う味が口いっぱいに広がってゆく。

「これ、お酒……」
「少しだけ入ってる。弱いものだし、いいだろう?」
「でも……」
「おいしくないか?」

 ううん、と首を振るとにっこりと微笑む圭理を見て、まあいいかという気持ちになった。
 お酒は二十歳になってからとずっと思っていた。それに夜の仕事をしている美春からはいつも強い酒の匂いがしてどうしても好きになれなかった。自分も飲んだら美春のようになってしまうんじゃないかと思ったら飲むのが怖いのもあった。だけど目の前のシャンパンは口当たりがよく、やはりジュースとは違うけど飲みやすい。
 ここで飲まない、と言うのは気が引けた。せっかく圭理が自分のために用意してくれたシャンパンを断るなんてできなかった。
 最初圭理も同じシャンパンを飲んでいたけど、すぐに別のものに替えていた。茶色い瓶のお酒でたぶんウイスキーなんだろうと思う。その瓶からはさらに強いアルコールの匂いがした。
 氷をトングで取り、落とすようにグラスに沈め、とくとくと音を立てて琥珀色の液体が注がれてゆく。

「圭くん、それそのまま飲むの?」
「うん、どうして?」
「だって……それ原液のままでしょう? 濃いんじゃないかな」
「原液って……かき氷のシロップみたいな言い方だなあ。水で割れってこと? 氷が入ってるからじきに薄まる。大丈夫だ」

 にっと笑みを浮かべた圭理は、再び背筋がぞくりとするような妖艶な雰囲気を身に纏っていた。
 有紗はそれ以上何も言えず、自分のグラスに注がれたシャンパンを口にする。そのまま様子を窺うように視線を圭理に向けると琥珀色の液体をぐっと一気に呷っていた。そんなふうに飲んだら薄まる訳なんか無い。

「圭くん……」
「大丈夫だよ。ひとりのときはいつもこうだから。心配性だな」

 グラスを右手に、とウイスキーのボトルと有紗用のシャンパンを左手に器用に持ち、ベランダの窓際の近くに置かれたソファに移動した圭理が楽しそうに笑いながら凭れるように深く座った。有紗の方からは圭理の表情は見えない。

「有紗もこっちおいで」
「うん」

 シャンパングラスを持って圭理の隣に腰掛けると、まだグラスにシャンパンが残っているのにつぎ足された。

「あ、こぼれちゃう」
「大丈夫だって。オレ、そんなに酔ってるように見える?」
「そうじゃないけど」

 グラスのすれすれの位置で圭理が注ぐのを止めた。
 ほら見ろと言わんばかりに顔を覗き込まれ、まだ酔っていないようだと安心した。
 圭理はそれからウイスキーをちびりちびりと飲み進めていたけど、有紗のグラスにシャンパンをつぎ足す手は止めなかった。それに合わせて飲み進めていたら少しずつ頭がぽわんとし、浮くような感覚と眠気が同時に襲ってくる。

「……眠い」
「疲れてるんだろう。このまま寝ていいよ」
「ん……」

 グラスをローテーブルに置き、右隣の圭理の肩に頭を乗せると自然に瞼が落ちてゆく。
 
「これも少しだけ」

 遠くの方でそう聞こえてきた。
 ふわふわする身体をどうにもできず、優しく顎を持ち上げられたのはなんとなくわかっていた。
 次の瞬間唇に何かが触れ、口の中に液体がゆっくりと流し込まれる。それをこくりと飲み込んだ瞬間、喉の奥の方が焼けるような灼熱感を覚えた。

「んぁっ」
「大丈夫、ゆっくり飲み干して」
「なに、これ……」

 かろうじてむせずには済んだが、有紗はそのまま堕ちるように眠りの波に身を任せた。
 静かに寝息をたてる有紗の身体を引き寄せ、抱きしめた圭理が深く潜めた声で耳元に囁く。

「終わったんだよな、有紗……」

 すでに意識を手放していた有紗にその声が届くことはない。


**


 水の中でたゆたうような感覚が心地いいような不安定なような……なんとも表現しがたい状況の中に身を置いている。

 ここはどこなのだろうか。
 目を開けようとしてるのに、瞼が酷く重たい。
 なんとかこじ開けるようにして瞼を開くけど、真っ暗のまま。
 もしかしたら開いていないのかもしれない。よく見えない。

 身体中が熱い。
 何かに包まれているかのように身動きがとれない。
 くまなく全身を撫で回されているような感触。だけどそれは苦しくはなくて、むしろ身体の中心から押し寄せてくるような甘い刺激の波に意識が集中し、何も考えられなくなってゆく。

「あ、はぁ……」

 自分の声が耳につく。とてもみだらな声。
 喉元で呻くような、しかも吐息混じりのもの。
 遠くの方で水が混じり合うような濡れた音が聞こえ、じわじわと下半身に熱を帯びてゆくのがわかる。
 
「や、あぁ……」

 腕を伸ばしてもがくと暖かい何かが触れた。
 それが人だということにすぐ気づき、その首筋にすがりつく。
 助けてほしくて必死にしがみつくと、強い力で抱きすくめられた。

「ふ、みく……」
「……じゃない」
「……え?」
「――よく見ろ」

 汗ばんだ身体つきも、熱のこもった甘やかな息遣いもその声も、触れるその手つきすら郁弥のものとは少し違うように思えた。酷く優しくてまるで壊れ物に触れるようなその指先が身体のラインをなぞり、包み込むように背中を撫で上げる。郁弥はもっと力強くて荒っぽい。だけどそんな郁弥の愛撫が有紗は好きだった。
 瞳が何も照らさない。真っ暗のまま助けを乞うように手探りで縋りついている相手は裸で自分も同じようだ。郁弥以外の異性と裸で抱きしめ合うなんて――

「やぁ……郁く……」

 離れようと手で身体を押してもびくともしない。
 思うように力が入らない。ただただ身体が熱くて疼いている。
 郁弥を求めて必死に身を捩った時、声が聞こえたような気がした。

 ――これからは、郁弥って呼んで

「ふ、み……郁弥……」
「大丈夫だ、有紗」
「いや……郁く、ん……」

 ぼんやりとした意識の中、暗闇に目が慣れてきた。
 わずかに動かせた首が右に向き、横目に見えたのは圭理の部屋の扉。

「け、い……く……?」

 ぽとり、と有紗の腕が落ち、ベッドに沈む。
 深い闇の中に沈んでいくように、再び有紗は意識を手放していた。


**


 喉の渇きを覚えて目を覚ます。
 その場所は圭理の寝室。ベッドランプがわずかに灯されていてすぐにわかった。 

「あれ……」

 くらくらする頭を少し振って起きあがり、身体を見ると圭理のスウェットを着ている。

「さっきのは……夢?」

 全く何も思い出せない。
 圭理の隣でシャンパンを飲んで眠くなってからの記憶がさっぱり無いことに気づく。
 
「やだ、なんであんな夢を……」

 圭理に抱かれる夢。
 想像するだけでもおかしくなりそうなくらい恥ずかしかった。
 欲求不満なのかもしれない。それにしてもなぜ相手が圭理なのか信じられない気持ちだった。
 恥ずかしさを振り払うようにぶつぶつとひとりごち、ベッドから抜け出すと右足がずきんと痛んだ。意外と強くひねっていたのかもしれない。

「圭くん」

 寝室から出てリビングを覗くと長ソファに圭理が横になって眠っていた。
 部屋の電気は落とされていて、テレビの側に置かれた電気スタンドだけが小さな光を放っている。
 毛布を一枚かけただけで眠る圭理の髪型も着衣にも乱れはない。
 最初からベッドを譲る気でいてくれたんだろうけど、ソファの長さが足りなくて足がはみ出してしまっている。

「圭くん、風邪引いちゃうよ。ベッドで寝て」
「ん、大丈夫だ」
「でも、こんな寝方してたら疲れとれないから」
「じゃ、有紗はどこで寝るの?」
「わたしは……」
「帰る、とかなしだぞ。もう遅いんだからな」

 圭理が腕時計を向けたのを見ると、夜中の一時になろうとしていた。
 家は近いけど夜道を歩くのを圭理は許さない。かといって送ってもらうのも申し訳ない。

「この前だってこうして寝たけど風邪なんか引かなかったし疲れもちゃんととれてる。余計な心配するな」
「でも……」
「じゃ、一緒に寝る?」
「えっ?」
「その反応、傷つくなあ」

 前髪をかきあげて眉間にしわを寄せる圭理を見て有紗の顔が一気に真っ赤に変化する。さっき見た夢を思い出して羞恥に悶えていた。

「違うの! ちょっと変な夢見ちゃって」
「変な夢? どんな?」
「えっ、あっ、いいの。聞かないで……圭くんのベッド広いから、ん、一緒に……」

 暗い中でも圭理が目を丸くしているのがすぐにわかった。
 まさか有紗が承諾するとは思っていなかったのだろう。だからとっても驚いているとしか思えない。

「よし、じゃあ決まり。喉乾いてるだろう。水飲んでから寝たほうがいいぞ」

 ぽんぽんと頭を撫でられ、変に意識していた自分がさらに恥ずかしくなった。
  
「わたしシャワー浴びたい」
「おー風呂入れるようになってるからどうぞ。悪いけどオレは先寝るからなーちゃんとベッドに来いよ」

 手を振りながら寝室に入っていく圭理の後ろ姿を見送った。
 
 全身の重だるさを感じながらシャワーを浴び、バスタブに身体を埋めると湯に圧迫されるような息苦しさを感じた。だけどこの感覚は嫌いじゃない。
 家では滅多にバスタブには浸からないけど、こうして圭理の家や郁弥の部屋のシャワールームでは浸からせてもらっている。図々しいとは思いながらもとても気持ちよくてこの誘惑には勝てない。疲れが抜け落ちるようだ。
 脱衣所の鏡で自分を見ると、左鎖骨の下辺りに赤い痕が残っているのに気がついた。もしかしたら昨日郁弥が残したのかもしれない。
 
 ――郁弥に会いたい

 今頃郁弥は何をしているのだろうか。
 あの部屋にいるのか、それとも園田造園に行っているのかわからない。今日の朝別れてから連絡はしていないし、郁弥からも来ていない。
 だけど確実に二人はつきあい始めた。
 気持ちはお互いを向いていると信じている。郁弥がそうしようと言ってくれたのだから間違いない。

 明日起きたらメールしてみよう。
 髪を乾かし風呂に浸かる前にコップに注いで飲んだ水の残りを飲み干して静かに寝室へ入った。
 扉と平行に置かれたベッドの壁際の方を向いて圭理が寝息をたてている。大きなベッドだからそんなに寄らなくてもいいのに。なんとなくその大きな背中が縮こまっているように見えておかしかった。
 圭理はいつも優しい。とても大事に思ってくれていることはすぐにわかる。そんな自分がセフレだったことにショックを受けたかもしれない。だけど。

「もう、大丈夫だから。圭くん、ありがとう」

 その背中に潜めた小さな声で語りかける。
 これ以上心配かけないから。

 少しだけ出た圭理の肩に布団をかけ直して、横になった。 


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Date:2014/11/04
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Thema:オリジナル小説
Janre:小説・文学

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