VOICE 31
第31話 反省と決意柊視点
未来の寝顔をしばらくじっと見つめていた。
たくさん泣いたから、明日目が腫れていないといいけど。濡らしたタオルをあててやったほうがいいだろうか。
とうとう本当のことを言ってしまった。
自分が兄であることを。もう引き返せない。
早く本当のことを伝える決断ができなかったから、未来に辛い選択をさせることになってしまってた。本当に謝りようがない。
まさか俺に身を委ねようとするなんて夢にも思わなかった。
兄の癖に妹の胸に触るなんて、触らされた、が正しいけどやっぱりいけないことだ。言い訳をしてはいけない。
決して大きくはないけど、柔らかくて立派な大人の胸だった。
こんなこと恥ずかしくて誰にも言えやしない。さすがに修哉にだって言えない秘密ができてしまった。
つい未来の胸を触れた手を見て、考え込んでしまう。あとから感触を思い出して考えるなんて変態すぎるだろう。しかも欲情しそうになったから最悪だ。ごめんな、未来。
こんなにもかわいい寝顔の妹に一瞬でもムラッと来たなんて……許してくれ。
眠っている未来に向けてベッドの上で土下座した。
しかし気になることがある。
未来は俺を恨んでいないのだろうか? あんな最低な父親の息子なのに。
これからはあの父が未来を苦しめた分、俺が取り戻す。
できる限りのことはしてやりたい。
世界中の誰よりも幸せになってほしいと思う。
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