空色なキモチ

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2014/11/28
掌の鼓動] 掌の鼓動 46 (終)
2014/11/27
掌の鼓動] 掌の鼓動 45
2014/11/21
掌の鼓動] 掌の鼓動 44
2014/11/20
掌の鼓動] 掌の鼓動 43
2014/11/19
掌の鼓動] 掌の鼓動 42
2014/11/18
掌の鼓動] 掌の鼓動 41
2014/11/16
掌の鼓動] 掌の鼓動 40
2014/11/15
掌の鼓動] 掌の鼓動 39
2014/11/14
掌の鼓動] 掌の鼓動 38
2014/11/13
掌の鼓動] 掌の鼓動 37
2014/11/12
掌の鼓動] 掌の鼓動 36 
2014/11/11
掌の鼓動] 掌の鼓動 35
2014/11/08
掌の鼓動] 掌の鼓動 34
2014/11/07
掌の鼓動] 掌の鼓動 33
2014/11/06
掌の鼓動] 掌の鼓動 32
2014/11/05
掌の鼓動] 掌の鼓動 31
2014/11/04
掌の鼓動] 掌の鼓動 30
2014/11/02
掌の鼓動] 掌の鼓動 29
2014/11/01
掌の鼓動] 掌の鼓動 28
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掌の鼓動] 掌の鼓動 46 (終)

 概要: 第四十六話エピローグ 3【有紗と美春】 翌日、郁弥と有紗の婚姻届と共に侑生の出生届を役所に提出した。 入籍と出産同時で二倍おめでたいわねと笑顔で祝福され、二人は真っ赤になりながらも恐縮し、ひたすら頭を下げ続けた。じんわりと結婚した実感がわいてきて照れくさい反面二人は自然に手を繋いで役所を後にしていた。  その日の夕方、郁弥の運転でドライブに行こうと誘われた。「えーっ。侑くんは置いて行ってよ。二人で...

掌の鼓動] 掌の鼓動 45

 概要: 第四十五話エピローグ 2【有紗と郁弥】 郁弥の家につくと、にぎやかな音葉と穏やかそうな祖母に迎え入れられた。 つくなり侑生を奪い合うようにして抱き上げ、泣き出しても全く慌てることなくあやし続ける。 「有紗ちゃんって呼んでいい? お義姉さんとかかたっ苦しいよね」「は、はい」「やだ、硬いよー。音葉でいいからね。よろしく!」「そんなこと言われたって緊張しちゃうわよお。これからここが我が家になるんだから徐...

掌の鼓動] 掌の鼓動 44

 概要: 第四十四話エピローグ 1【有紗と圭理】「幸せになるのよ」 病院の前で朋美と理平が有紗を交互に抱きしめ、眠っている侑生の頬を指先で撫でた。 有紗の後ろには郁弥とその後ろには郁人が立ち、深々と天道夫妻に頭を下げる。 その場所に圭理の姿はなかった。 朋美と理平は有紗と圭理が婚姻届を書いていることを知らなかった。 それ以前にそこまで話が進んでいたことすら聞かされてはいなかったのだ。 圭理は自分の両親にこう...

掌の鼓動] 掌の鼓動 43

 概要: 第四十三話現在 34 有紗と子の未来を思って潔く身を引き、仕事に打ち込んでいた郁弥に圭理から連絡が来たのはその決意から一週間ほど過ぎた頃だった。 無事に出産を終え、母子ともに元気であること、そして頼みがあると。 圭理から、もちろん有紗からも連絡が来ることはないと思っていたのに、まさかの相手に電話を切った後しばらく茫然としてしまっていた。 持ってくるように頼まれたのは郁弥が産まれた頃の写真。 郁弥が若...

掌の鼓動] 掌の鼓動 42

 概要: 第四十二話現在 33  その日の夜。 許可を得て室内のシャワーを浴び、髪を乾かし終えてベッドに戻った時扉がノックされる音がした。 時計を見るとすでに二十二時近い。今日は侑生を新生児室に預ける予定にはしていないから助産師の訪室ではない。となると誰だかすぐわかる。「圭くん? どうぞ」 ベッドから降りようとすると、扉を開けた圭理がそのままでと告げた。 小さくうなずいた有紗は自身のベッドの横に置かれているベ...

掌の鼓動] 掌の鼓動 41

 概要: 第四十一話現在 32 母乳を飲ませ、肩に凭れかけさせてその背中をとんとんと叩く。 ふにゃふにゃしたその身体を抱きかかえるのもまだ怖い。すぐに壊れてしまいそうでドキドキする。 耳元でかなり大きいげっぷを聞き、頭と首を守るように支えながら体勢を戻してやると腕の中に暖かみが伝わってきた。「いっぱい飲んだかな。おなかいっぱい?」 思わず声をかけ、真っ赤なぷくぷくの頬を指でつついてしまう。 それでも眠りについ...

掌の鼓動] 掌の鼓動 40

 概要: 第四十話現在 31 さらに数週間後。 何度病院へ電話をかけてもマンション前で張っていても捕まらない圭理にしびれを切らした郁弥は直接病院へ出向くことにした。 その日は特別に平日の金曜日に休みをもらっていた。本当だったら新人の希望通りになんかさせないという郁人が苦笑いを見せ、許可してくれたのだった。従業員は郁弥の状況を知らないけど親方が許可したのならと渋々了承してくれた。 申し訳ないけど、休みを渋ってく...

掌の鼓動] 掌の鼓動 39

 概要: 第三十九話現在 30 入院数日前のこと―― わずかに感じる腹部の張りは気になっていたものの、おなかの中の子は元気に動いていたから大丈夫だと思っていた。 診察もちゃんと受けているし、圭理もそばにいてくれる。病院に泊まり込みの日もあったけど、休み時間には連絡をしてくれていた。 ひとりでも安心しきっていた。 あのことがあるまでは。 急遽泊まりになった圭理が一度家に戻ってきた。 重要な書類を忘れていったから取...

掌の鼓動] 掌の鼓動 38

 概要: 第三十八話現在 29 それから三週間。 辛抱強く連絡を待った郁弥だったが一向に圭理からの連絡は来なかった。そして、有紗からも。 圭理からはまだわかる。本当に忙しいか、避けているかだろう。 だけど有紗は……拒絶されているのかと思うとやりきれない気持ちになる。 そんな心落ち着かない日々が続いたせいか仕事で任せられている土の配合のミスを繰り返し、やる気がないなら辞めろと郁人に怒鳴られた。 今までの郁弥だった...

掌の鼓動] 掌の鼓動 37

 概要: 第三十七話現在 28 握りしめたメモ用紙を落とさないようカーディガンのポケットにねじ込んだ。 圭理に知られてはいけない。有紗はまるでそれを守るかのようにポケットの上から手を当ててそっと押さえていた。  振り向けば郁弥がいる。 だけどもう振り返ってはいけない。 これ以上振り返ったら涙が零れ落ちてしまうから。 ただまっすぐに圭理へ向かって歩き続けた。 ――まってて 確実に郁弥はそう言ってくれた。 これで終...

掌の鼓動] 掌の鼓動 36 

 概要: 第三十六話現在 27 土曜の夜から日曜の夜までしか見張りをすることができない郁弥と大学の講義やサークル活動が忙しい拓弥になかなかその時が訪れることはなかった。 だけど拓弥ひとりの時に圭理が有紗の知り合いであることは確認できた。間違いなくあの時見た大人の男で、住まいも突き止めている。郁弥も地域新聞で圭理の顔を把握していた。 梅雨開け宣言が発表された後の霧雨の日曜、郁弥は病院前のコインパーキング、拓弥は...

掌の鼓動] 掌の鼓動 35

 概要: 第三十五話現在 26 それからすぐ郁弥は車の免許を取得した。 土曜の夜に仕事を終えてそのまま車で若槻家に向かい、その日は住んでいた部屋に泊まる。翌日はあてもなく有紗を探し、その日の夜遅くにに園田家に帰宅、翌日の仕事に備える日が続いた。 不本意ながら拓弥から有紗の家があった場所を聞いた。 そこは老朽化の進んだアパートで、築何年か想像もつかないほど古ぼけていた。ここに有紗が住んでいたと思うとなぜか悔しい...

掌の鼓動] 掌の鼓動 34

 概要: 第三十四話現在 25「っ、なんで出ねえんだよ!」 園田家のリビングに繋がる廊下の真ん中辺りで大きな舌打ちをした郁弥が着ていた紺色のパーカーのポケットに携帯をねじ込んだ。「どうしたの? お兄ちゃん」「なんでもない」「なんでもないって言うわりに顔が怖いよ」 リビングから揶揄するような笑みを浮かべた音葉が覗き込む。 「なんでもねえって」 苛立ちのあまり口調が強くなるけど、音葉は事もなげに首を傾げる。 深く...

掌の鼓動] 掌の鼓動 33

 概要: 第三十三話現在 24 それからどうやって月日を過ごしたのか記憶に残っていない。 郁弥からのメールは受信していたけど、返事はしていたのか全く身に覚えがなかった。 すでに園田造園の方に引っ越しをして、見習い扱いで仕事を始めていること。休みの日は泥のように眠って身体中が痛いこと。なかなか時間がとれずに会えないのが寂しいと樹木の画像つきで送られてきていた。 そのメールに対して有紗は『無理しすぎないでね』や『...

掌の鼓動] 掌の鼓動 32

 概要: 第三十二話現在 23 自由登校になり、バイトだけの生活になった有紗が体調の変化に気づいたのは二月に入ったばかりの頃だった。 なんとなく気怠くて身体が熱っぽいと感じた朝、自宅のトイレで何気なく視線を落としたサニタリーボックス。 ――そういえば、今年に入ってから来てない、かも 収納してある生理用品が全く減っていないことに気づいた。 今までだったら月の中旬辺りに来ていたはず。それに気づかなかったのは仕事に夢...

掌の鼓動] 掌の鼓動 31

 概要: 第三十一話現在 22 正月を迎え、有紗は天道家の実家で三が日を過ごすことになった。 圭理と理平は休みなく交代で病院に向かい、診察と急な分娩に対応する。 有紗は仕事の予定ではなかったけど、人手があって困ることはないと思い、病院へ向かった。「有紗ちゃんが手伝ってくれて助かった。ありがとうね」「いえ、大したことはできませんが」「そんなことないわよー。急な分娩が入って滅菌物も減ってきてたしそっちに手が回せる...

掌の鼓動] 掌の鼓動 30

 概要: 第三十話現在 21 意識を失うようにして眠りについていたことも知らず、目覚めたら背中から郁弥に抱きしめられていていることに息を飲んだ。 ――そうだ、昨日ちゃんとつきあおうって言われたんだっけ 身体がとっても暖かい。 耳元ですうすうと寝息をたてる郁弥を起こさないように有紗はもう一度目を閉じた。 ** 次に起きた時はすでに十時を回っていた。 一緒に風呂に入り、お互いの身体を洗いあったりしてはしゃいでいたら...

掌の鼓動] 掌の鼓動 29

 概要: 第二十九話現在 20 郁弥の荒い息遣いだけが薄暗い部屋に反響していた。  ベッドの回りに生々しく落ちている避妊具のパッケージを見て、自分の欲が押さえきれなかったことに郁弥はひとり自嘲してしまう。 すでに下になった有紗の意識はない。 少し前に達し、限界だったのだろう。ぷつりと糸が切れたように郁弥にしがみつく力が失われていた。それでもやめることができず、そのまま有紗の中に留まり荒々しく揺さぶって自分が果...

掌の鼓動] 掌の鼓動 28

 概要: 第二十八話現在 19 郁弥の家に着いてすぐに目に入ったのは有紗の身長くらいの高さのクリスマスツリーだった。 暗い部屋でも電飾がピカピカと輝いているのがとても美しい。 幼い頃、圭理の家でのクリスマスパーティーにはいつもツリーが飾られていたことを思い出す。 ここ何年かはツリーを出すことはなくなっていたけど、小さい頃は飾りつけを手伝わせてもらえてうれしかった記憶が蘇る。  郁弥に促され、キッチンテーブルに...
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