空色なキモチ

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掌の鼓動] 掌の鼓動 27
2014/10/30
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掌の鼓動] 掌の鼓動 4
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掌の鼓動] 掌の鼓動 2
2014/10/04
掌の鼓動] 掌の鼓動 1
2014/10/04
掌の鼓動] 掌の鼓動
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掌の鼓動] 掌の鼓動 27

 概要: 第二十七話現在 18 クリスマスイブ当日。 目覚まし代わりの携帯を見ると、メールが一件届いていた。 着信はバイブレーターになっていたものの普段ならそれでも気づくはずなのに目が覚めなかった。    『今日の夜、うちに来てほしい』 たった一言だけ、圭理からだった。 きっとクリスマスイブだからケーキを用意してくれたのだろう。毎年天道家はそうやってささやかなパーティーをしている。もちろん急遽分娩が入ることも...

掌の鼓動] 掌の鼓動 26

 概要: 第二十六話現在 17 クリスマスイブの前日。 その日も拓弥にバイトの有無を尋ねられ、書店のバイトだと言うと終了時刻の二十時に待っていた。 向かいのファストフードでは拓弥の顔を覚えられているのではないかと思うくらい頻回なことだった。 バイトの仲間にも恋人なのかと問われて違うと答えるしかなく、そんなふうに噂になってしまうのも拓弥に対して申し訳なかった。 時々食事に誘われることもあったけど、有紗は断り続け...

掌の鼓動] 掌の鼓動 25

 概要: 第二十五話現在 16 いまだかつてない怖い表情の圭理が去って行く拓弥の背中を射抜くように見つめていた。 圭理のピリピリした感情を読み取ろうと様子を窺っているのか、有紗の方からも何も問いかけはしなかった。むしろできないといった方が正しいのかもしれない。 しばらくして、圭理が感情を消し去ったような目で有紗に視線を向ける。「今の男とつきあってるのか?」「え? 違うよ! どうして……」「そっか」 いきなり力が...

掌の鼓動] 掌の鼓動 24

 概要: 第二十四話現在 15 郁弥は園田郁人があの時自分のコートのポケットにねじ込んだ名刺を捨てることができずにいた。 そこには自宅と郁人の携帯番号、そして住所が記載されている。 どうして郁人がそうしたのか、その名刺の意味を考えても答えはひとつしか見つからない。郁弥からの連絡を待っているのだろう。 それはなぜ。今更のようだけど郁人はやはり自分を手放したのではなかったのかもしれない。そうとしか思えなくなってい...

掌の鼓動] 掌の鼓動 23

 概要: 第二十三話現在 14 病院の楓の木の葉がほぼなくなり、確実に師走が近づいていることを物語っている。 外は冷たい木枯らしが吹き、窓には室温と外の温度差を知らしめる結露を見るようになっていた。 入院中の妊産婦の夕食の下膳を終え、夜食の準備をすませて帰ろうとしている有紗に圭理が声をかけた。「お疲れさま。うちに寄ってかないか。ちょっと話もあるし」 圭理のマンションは天道産婦人科病院から有紗のアパートの前を通...

掌の鼓動] 掌の鼓動 22

 概要: 第二十二話現在 13 十一月の中旬頃。 冬本番になったその日の朝も風が冷たく、郁弥が部屋を出ると縁側の木から落ちる茶色い木の葉が地面にたくさん絨毯のように敷き詰められていた。 帰ってきたら掃き掃除でもするかと思いながら大きなケヤキの木を見上げるとすでに残りの葉も少なくなっているのに気づく。「冬だな」 思わずぽつりとつぶやいた郁弥は足早に縁側を抜け、門をくぐり外に出た。 ぐーっと伸びをして冷たい空気を...

掌の鼓動] 掌の鼓動 21

 概要: 第二十一話現在 12 それから有紗はバイトを増やした。 週三回天道産婦人科病院で看護助手のバイト、そして週二、三回のペースで郁弥の家の最寄駅にある書店でバイトを始めた。 郁弥の家とは真逆の東口付近にある六階建ての大型書店で時間は十六時から二十時まで。仕事を終えたらいつでも郁弥の部屋に寄れることを想定してこの書店を選んだ。 だからといっていつでも郁弥が自分を求めているとは限らない。 別の女友達がいると...

掌の鼓動] 掌の鼓動 20

 概要: 第二十話過去 6【郁弥と拓弥と莉彩 3】 その数日後、郁弥は二次募集で選択した高校の受験に向かった。 よく晴れた日で、本命受験日前日に降った雪の残骸もすでに解け少し暖かいくらいだった。 試験会場の教室は初回の試験の時のように席はびっしりと埋まらずところどころ空いていた。 その日も郁弥は弁当を持参しなかった。コンビニで買って行くつもりだったのに寝坊をしてしまい、寄る時間がなくなってしまったのだ。 筆...

掌の鼓動] 掌の鼓動 19

 概要: 第十九話過去 5【郁弥と拓弥と莉彩 2】 郁弥の公立高校受験日前日。 夕方試験の準備をしていた郁弥は消しゴムが小さくなっていることに気づき、買いに家を出た。 ついでにシャープペンシルの芯を買おうとコートのポケットの小銭入れを探る。 月の小遣いは克弥からもらっていた。金額は拓弥と同じ五千円。高校生になったら一万円にあげてくれると言っていた。 晴れて高校生になれば莉彩とたくさんデートをするだろうからお...

掌の鼓動] 掌の鼓動 18

 概要: 第十八話過去 4【郁弥と拓弥と莉彩 1】 親密な仲になった郁弥と莉彩はそれから何度も同じように交わるようになる。 覚えたての猿のように身体を重ねても郁弥の欲は収まることを知らなかった。 自身を温かく包み込んでくれる莉彩が誰よりも大事でずっと一緒にいたいと思った。こんなにも人を欲するのは初めてのことで、痛みも喜びもすべて分かち合いたいと願った。 莉彩も郁弥の抱擁が好きだった。いつまでも身体を繋ぎ合わ...

掌の鼓動] 掌の鼓動 17

 概要: 第十七話過去 3【郁弥と莉彩】 郁弥はどんどん身長が伸び、見た目は細身だけど適度に筋肉がついて男っぽくなっていく。 それに加え、美しい葉子似の切れ長で涼しげな瞳がチャームポイントで笑うととてもかわいく中性的な魅力があっていつしか女子生徒から何度も告白されるようになっていた。 しかし恋愛には疎く、女子と話すのが苦手で告白はすべて断り続けていた。 それよりもバスケが楽しくてしょうがなかった。 中二の夏...

掌の鼓動] 掌の鼓動 16

 概要: 第十六話過去 2【郁弥と拓弥】  郁弥と拓弥は別の小学校へ通い始めた。 拓弥は幼稚舎から大学までエスカレーター式の学校、秀英初等部に通っていた。 何事もなければもちろん試験はあるものの、そのまま秀英大学まで進むことが可能である。 そこにいきなり双子の弟が現れて拓弥の友達やその親に不審がられるのは不本意なため、郁弥は家のそばの公立の小学校へ転校することになった。 郁弥は両親を求めて夜泣きをすることが...

掌の鼓動] 掌の鼓動 15

 概要: 第十五話過去 1【郁弥と拓弥の母】女性特有の疾患名が出てきます。苦手なかたは回避してください。 若槻郁弥と拓弥はただの異母兄弟という間柄ではない。 郁弥の母、葉子(ようこ)と拓弥の母、鞠子はれっきとした姉妹だった。鞠子が姉、葉子が妹である。 若槻家は弁護士一家でその歴史も長い。 輝かしい名声と有り余る財産は子孫に受け継がれる。その子孫が途絶えないよう、必ず由緒正しき家柄の娘と見合い結婚をさせられる運...

掌の鼓動] 掌の鼓動 14

 概要: 第十四話現在 11 喉が渇いて目が覚めた郁弥は暗い部屋に人の気配を感じた。 ひとりで寝るには大きすぎるダブルベッド。自身の発する熱気以外の布団の温みを感じて身を捩ると、となりにいたのは小さな寝息を立てて眠る有紗だった。 ゆっくりと身を起こし、頬にかかった髪を耳にかけてやると少しだけ顔をしかめて小さな声をあげる。 有紗は郁弥の室内着を着ていた。ここに泊まる時いつも貸してやるもので有紗の身体には大きいけ...

掌の鼓動] 掌の鼓動 13

 概要: 第十三話現在 10「有紗ちゃん、乗って」「いえ。か、風邪薬を買ってから向かいますから先に」「家にあるからいいよ、早く」 すばやく助手席に乗り込んだ拓弥に促されてタクシーに同乗することになった。 後部座席には郁弥と有紗が乗った。肩にもたれるように郁弥に言うも、聞こえなかったのか有紗に背を向けるようにして背もたれに寄りかかっている。まるで拒絶の意志を示しているようで悲しくなる。 有紗が着ていた薄手のコー...

掌の鼓動] 掌の鼓動 12

 概要: 第十二話現在 9 翌日、郁弥は学校をサボっていた。 朝起きた時、妙に気だるくて制服に着替えようとしてやめた。学校が終わったらでいいから食事を作りに来てほしいと有紗のLINEのメッセージが届いたのは朝十時を過ぎた頃だった。 クラスが違うから連絡が来ない限り郁弥の不在に気づくことはなかっただろう。校内ではなるべく郁弥と接しないよう心掛けているから。 昨日郁弥の家の冷蔵庫の中を見て、ミネラルウォーターや牛乳...

掌の鼓動] 掌の鼓動 11

 概要: 第十一話現在 8「あーあ、帰っちゃった。おまえのせいだよ。拓弥(たくや)」「あの子はここを飛び出してきた時から泣いていた」 ずれた眼鏡のブリッジの部分を中指でそっと押して直す拓弥を郁弥が不快そうに睨み上げる。 「なに? りさのこと気に入ったの?」「あの子はりさっていう名前なのか」「どーでもいいじゃん」 大きなため息を吐き、自分の部屋の方に向かって歩いていく郁弥の背中を追ってその肩を掴む。 「どうでも...

掌の鼓動] 掌の鼓動 10

 概要: 第十話現在 7 高校三年に進級した有紗は大学に行くつもりはなかった。 生徒会副会長というポストについている郁弥は当然大学受験するのかと思っていたけど、実際にはまだ決めていないと言っていた。 人のことだし口出しするつもりもなかったけれど、ずいぶん悠長に構えているのには正直びっくりした。 時は流れ、夏休みが終わった頃でも郁弥の卒業後の進路は決まっていなかった。 大学に行くのか、就職するのかすらも決まっ...

掌の鼓動] 掌の鼓動 9

 概要: 第九話現在 6 万が一がこんなにも早く来るとは思わなかった圭理の視界は一瞬ぐらりと揺れ、このまま気を失ってしまいたいくらいの心境になった。  有紗がまた避妊に失敗したと言い出したのは、最初にアフターピルを渡してからわずか一ヶ月足らずのことだった。 同じ状況になった時は隠さずに言えと言ったのは圭理だ。だけどこんな短いスパンで二度も失敗するとは考えにくかったのも事実だった。「本当に失敗したのか?」 申...

掌の鼓動] 掌の鼓動 8

 概要: 第八話現在 5 そうは言ったものの、絶対に妊娠しないとは言い切れないことはわかっていた。 かといってどうすることもできず重い気持ちのまま郁弥の家を出た。そんな不安を郁弥に知られるのも怖いくらいだった。 天道産婦人科病院の前で足を止めると、門を閉めようとしている圭理と目が合う。「今帰り? ずいぶん遅いな」「あ、うん。友達と」「そっか、じゃあちょうどよかった。飯食ってけよ。この前の看病のお礼」 白衣を...

掌の鼓動] 掌の鼓動 7

 概要: 第七話現在 4 それから、郁弥は幾度となく有紗を呼び出した。 毎日のように続く時もあったし、一週間丸々呼び出されない日もある。 バイトの日は申し訳ない気持ちで断っても、友達でいてくれる郁弥には感謝しかなかった。 家に帰るのがめんどくさいなら泊まってもいいと言ってくれたし、誰にそれを咎められることもなかった。何度郁弥の家に行っても家族に会うことは一度もなかったから。 天道家以外に初めて自分の居場所を...

掌の鼓動] 掌の鼓動 6

 概要: 第六話現在 3 その日の帰り道、有紗は重だるい全身を引きずるようにしてようやく家の側まで歩いて帰ってきた。 秘所の鈍い痛みがまだ続いている。何かが挟まっているような違和感が抜けずに、不自然な歩行になってしまう。 郁弥の家の最寄り駅からは時間をかければ徒歩でも帰れる距離ではあるものの定期があるので電車で帰ってきた。今はそんなに歩ける体調でもない。「有紗」 誰も帰りを待つことのないアパートの前で呼びか...

掌の鼓動] 掌の鼓動 5

 概要: 第五話現在 2「ごめ、大丈夫、です」「大丈夫って」「続けて、ください」 両手で胸を隠し、小さく震える有紗をこのまま抱けるほど郁弥は女に飢えてはいなかった。 抱こうと思えば抱ける女はたくさんいる、そんな自制心が働いたのも事実だったがそれでも有紗を抱いてみたいとも思っていた。単なる漠然とした興味みたいなものだろう。「おまえ、初めてなの?」 少し苛立った様子の郁弥の声のトーンに再び有紗の身体が小さく跳ね...

掌の鼓動] 掌の鼓動 4

 概要: 第四話現在 1 有紗に今まで好きな異性はいなかった。 圭理は頼れる兄みたいなもので、恋愛のそれとは違う。 むしろ自分みたいな子どもに恋心を抱かれても圭理が困るだろう。幸いそういう思いを抱かなかった自分にほっとしていた。  初めては好きな人と。 よくそんなことを聞くが、有紗には全くそういう願望がない。 高校一年の時、母の相手の男に犯されそうになった時点でいつかそうなるかもしれないという思いが植え付け...

掌の鼓動] 掌の鼓動 3

 概要: 第三話プロローグ 3【有紗と郁弥】 高校二年生になった有紗は、相変わらずひとりのことが多かった。 友人は数人いるものの、その中で疎外感を決して拭うことはできなかった。 いわゆる上辺だけのつきあい。友達とも呼べそうもないその位置づけが一番しっくりととくるものだった。 友人達は有紗の母親が水商売をしていることを知っていた。 どこから知られたのかは不明だったが、有紗に直接「キャバクラで働いているんだって...

掌の鼓動] 掌の鼓動 2

 概要: 第二話プロローグ 2 【有紗と圭理】 「有紗、おはよう」「圭くん、おはよう」 通学中の有紗が名を呼ばれて振り返ると、黒く艶やかな髪が風になびいてさらりと音を立てた。 その相手に満面の笑みを浮かべて近づいてゆく。 圭くんこと天道圭理(てんどうけいすけ)は、みすぼらしい捨て犬のように家の前でうずくまっていた幼い有紗を救った少年である。有紗を見つけたその当時、圭理は十六歳の高校生だった。  圭理が有紗を保...

掌の鼓動] 掌の鼓動 1

 概要: 第一話プロローグ 1【有紗と美春】 高邑有紗(たかむらありさ)は見た目と違い、目立たない少女だった。 まっすぐなさらさらの黒髪は肩胛骨を覆うくらいの長さできれいに切りそろえられ、制服を着崩すこともなく優等生風な出で立ちではあるけど黒目がちな大きな瞳に小ぶりの鼻梁、ふっくらとした唇はとても可愛らしい印象を与え、化粧をしなくても頬はうっすらとチークを施したような色を呈していた。 いわゆる美少女と言われる...

掌の鼓動] 掌の鼓動

 概要:  高邑有紗(たかむらありさ)は美しい見た目とは違い、目立たない女子高生だった。 それは有紗の成長過程が大きく起因する。 誰にも必要とされず、ただ生きているだけの幼少時代。 ひとりの男子学生、圭理(けいすけ)が有紗を見つけたことにより、その運命を大きく変えていくことになる。 そしてその約十年後。 成長した有紗が巡り合った同級生の男子生徒、郁弥(ふみや)によってまた彼女の運命は大きく揺り動かされていく。 自...
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