概要: 翔吾さんの発した言葉が頭の中をぐるぐるまわる。 『近いうちに、お母さんに会わせてもらえないかな?』 気後れしてるわたしを翔吾さんが不思議そうな面持ちで見つめている。 いい、ともいや、とも言えずわたしは薄ら笑いを浮かべてしまっていた。 「……なに? 急に」 ようやく出たのはその言葉。 翔吾さんは目をを眇めて小さく首を傾げた。 「急にってことはないだろう? 前にも言ったし……それに子どももほしいし、...
概要: どこかで携帯が震えている音がする。 わたしのかな……? それとも……。「――はい……え? 寝てた」 翔吾さんの携帯だったみたい。話し始める声がする。しかもしっかり寝起きの声で不機嫌そう。 再び布団にもぐり込んで身を縮めると、わたしの左肩に翔吾さんの腕が当たった。「今日? え? これから? すでに近くにいるっ? まじでかー?」 がばっと翔吾さんが起き上がって布団が豪快に捲れた。 急に大声を出すからビッ...