空色なキモチ

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2013/02/28
片隅の花] 片隅の花 7
2013/02/28
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第57夜 
2013/02/27
片隅の花] 片隅の花 6
2013/02/27
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第56夜 翔吾side
2013/02/26
片隅の花] 片隅の花 5 翔side
2013/02/26
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第55夜
2013/02/25
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第54夜
2013/02/23
片隅の花] 片隅の花 4
2013/02/23
満月の夜に見る夢は] 満月の夜の見る夢は 第4章 第53夜 翔吾side
2013/02/22
片隅の花] 片隅の花 3
2013/02/22
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第52夜
2013/02/21
片隅の花] 片隅の花 2
2013/02/21
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第51夜
2013/02/15
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第50夜
2013/02/14
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第49夜
2013/02/13
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第48夜
2013/02/11
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第47夜
2013/02/11
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第46夜
2013/02/09
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第45夜 閑話 翔吾side
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第44夜 閑話
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第43夜
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第42夜
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第41夜
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第40夜
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第39夜
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第38夜 翔吾side
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第37夜
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第36夜
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第35夜
2013/02/08
満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第2章 第34夜 閑話
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片隅の花] 片隅の花 7

 概要:   だけど実際学校を休むわけにもいかない。 親に心配をかけるわけにもいかないから。 サボってしまいたいなーと思いつつ、重い足取りで学校までの坂をゆっくり昇った。 駅から徒歩約五分の学校だが、小高い丘みたいになっている。 毎朝この坂を昇るのが辛い。でも春は桜の木がアーチみたいにきれいだった。 沙羅ちゃんに顔を合わすのが怖かった。 飛鳥くんはもうわたしがしたことを知っているはず、それを沙羅ちゃんに話し...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第57夜 

 概要:   四月になって新入社員が入ってきた。 今は研修期間になる。配属はもう少し先のことだろう。 今年、営業部事務の女性社員が配属されるかもわたしが異動になるかもまだわからずじまいだった。 南雲係長には期待せずに待ってと言われていたからしょうがないけど……。 翔吾さんとはほとんど話していない。 仕事は頼まれるけど、大体メモをデスクに置いておいてくれるから話さなくてすむ。 こうしてだったら仕事を続けられるか...

片隅の花] 片隅の花 6

 概要: 「お願い……許して……許してください……」「なんだよ? 何もしてねーだろ?」 苛立ちを露わにする翔くんが怖かった。 抱かれた左肩が重くて、逃げられなくて……押されるまま歩かなければならない状況に怯えていた。「離れて……ください」「何? 飛鳥だと思ってればいいんじゃね?」「ち……がうもん……」 飛鳥くんと翔くんじゃ全然ちがう。 飛鳥くんは優しい、こんな乱暴なことしたり強引な行動は絶対にしない。 飛鳥くんはわたしを...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第56夜 翔吾side

 概要:   雪乃と距離を置き始めて一週間は経ったと思う。 俺が席に戻るとさっと立ち上がってどこかへ行ってしまう。 どうもPC室へこもっているようだった。  自分の席にいづらい思いをさせているようで申し訳ない気がする。今も移動させてしまった。 なるべく急いで席を外そうと思っていた時、三浦さんが驚愕の表情で俺を休憩室に引っ張った。 あまりの慌てぶりに、こっちが動揺してしまうくらいで。 休憩室に押し込められた途端...

片隅の花] 片隅の花 5 翔side

 概要:   俺はカラオケボックスの端の席で携帯をいじっていた。 BGMには友達がガナり声で歌うどっかの歌手の歌。 学校を終えて、友達とこうしてつるんでカラオケやゲーセンに行くのはいつもことだ。 大体家に帰るのは夜。それも家族が食事を終えた頃。そのまま友達の家に泊まることもある。「翔、随分うれしそうじゃん。何かいい事あった?」「は?」「顔、ニヤついてる」 隣に座ったクラスの女子、悠里(ゆうり)が俺の顔を指差す...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第55夜

 概要:   翔吾さんと過ごした一ヶ月あまりの期間は夢のようだった。 こんなに誰かといてワクワクしたことはなかったかもしれない。 楽しかった、でもたくさん悩んだ。それでもしあわせだと思えた。 翔吾さんと関係を持つ前と何も変わらない日々がはじまる。 朝起きて、家を出て、電車に乗って会社に行く。 着いたらまずオフィスの空気の入れ替えをしてからデスクを拭く。床掃除は業者が入ってるからしない。 会議室の空気の入れ替...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第54夜

 概要:   おまえなんて呼ばれたの初めてだと思う。 口元だけは笑っているように見えるし、目は酔っているのだろう……トロンとしていて眠そうだ。  でも、確実にその瞳の奥には憤怒が見て取れる。「……俺に隠してること、あるだろ?」「え?」「か・く・し・ご・と」 ローテーブルの上に何かが置かれた。 それはわたしの鞄の中に入れておいたはずのピルが入った薬の袋。 一瞬目の前が暗くなって、身体がぐらりと揺れたような感覚がし...

片隅の花] 片隅の花 4

 概要:   ほんの出来心だった―― あの時のわたしは……なぜあんなことをしてしまったのかよく覚えていない。*** 六月に入って学校行事、球技大会が行われた。 全学年対象でクラス対抗戦。 体育祭の球技バージョンみたいなものだ。 スポーツが得意な沙羅ちゃんはテニスにバレーボール、いろいろな種目の選手に選ばれた。 本当はひとりひとつは出ないといけないんだけど、わたしは指に怪我をすると部活に支障をきたすとか適当に理由...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜の見る夢は 第4章 第53夜 翔吾side

 概要:   雪乃に姉の存在がバレてしまった。 姉の子のみゅうを預かった時点でまずいかもとは思ってはいた。 でも姉を家に上がらせなければバレないと思っていた。 今朝の迎えの電話連絡に俺が気づいていれば、姉と雪乃は会うこともなかったのに……。  みゅうは俺の姉と雪乃の父親との間にできた子ども。 略奪婚だった。*** 姉から義兄のことを紹介されたのは、姉が妊娠する一年以上も前の話だった。 最初見た時は、随分年の離...

片隅の花] 片隅の花 3

 概要:   転校先の小学校では友達ができた。 元々引っ込み思案のわたしに声をかけてくれたのは、クラスで一番人気者の沙羅(さら)ちゃん。   さらさらの黒い髪にパッチリした目のお人形のように可愛い女の子だった。 沙羅ちゃんは運動も勉強もよくできた。沙羅ちゃんの周りはいつもお友達がいっぱいだった。 まるで飛翔兄弟の女の子バージョンみたいな人気者。名前もオシャレ。 沙羅ちゃん繋がりで他の友達もできた。 前の小学...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第52夜

 概要:   翌週の月曜日。 相変わらず翔吾さんは『今日は? 来れる?』のメールを十五時に送ってくれる。 もうテンプレートになっているんだと思う。 翔吾さんも、もうわたしがそれに応えることはないってわかっているはず。 それなのに送り続けてくれているのは、そういう義務感みたいなものがあるからじゃないかと思う。  それをわかっていて自分もテンプレで『ひとりでいたい』と返す。 生理は先週の土曜日に来た。 これから...

片隅の花] 片隅の花 2

 概要:   その事件の翌日から、飛翔兄弟は集団登下校をしなくなった。  彼らのお母さんが毎日車で学校まで送迎するようになったからだった。 そして学校を終えた後も外でみんなと一緒には遊ばなくなっていた。 元々ふたりは習い事をしていた。それはピアノ。 だけど怪我をしたほうの子はピアノが弾けなくなってしまったらしい。そんな噂が流れた。  だからかはわからないけど、双子はピアノを習うのをやめたらしいとまことしやか...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第51夜

 概要:   そのまま抱えられるようにしてベッドへ押し倒される。   いやだった。 こんな気持ちで翔吾さんに抱かれるのは苦痛でしかない。 身をよじってその囲われた腕から脱出しようとするけど、その力は強く、上から圧し掛かられてびくともしなかった。翔吾さんはすでに欲情した悩ましげな瞳でわたしをじっと見下ろしてる。 目を逸らそうと顔を背けると、すかさずその形のいい唇がわたしの首筋を捉えた。その感触にわたしの身体は...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第50夜

 概要:   翔吾さんの家の玄関に立っている女の人。 そしてその女の人の前に立ちはだかる翔吾さんの姿。 わたしの胸には、甘い香りのみゅうちゃん。 一瞬でわかった……辿りついた真実。*** 夏の暑い日だった。 母がクーラーの風に弱くてほぼ使ってない状態のこの家は、常に古臭い扇風機が回っている。 それが忙しなく首を振り、風を生み出す。その音すらも煩わしく感じた。 外ではセミがうるさいくらい騒いでいて――『妊娠三ヶ月...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第49夜

 概要: 「ゆきおねーちゃん! あさだよー♪」 元気な高い声が耳元で聞こえる。 うん、そんな大きい声じゃなくても聞こえるだけどね……。「ゆきおねーちゃんったらあ! おきてー!」 重い瞼を開けようとしているんだけどなかなか開かなくてようやく開いた隙間から様子を伺うと、みゅうちゃんの笑顔が飛び込んできた。胸元に手を置かれ、ゆさゆさ揺さぶられる。 「ん、みゅうちゃん早いのね」 時計を見ると六時を少しまわったところだ...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第48夜

 概要: 「いーち! にぃーい! さぁーん!」 みゅうちゃんと入浴中、湯船に浸かって数を数える高い声が浴室に反響する。 お肌つるんつるんでお湯に浸かっている部分が桃色になっててほっぺも赤らんでいてかわいい。「みゅうちゃん、もう数数えられるんだ。偉いね」「うん! あれ? んー? いーち! にぃーい!」 数えていた数を忘れてしまったようだ。声をかけたから悪いことしちゃったな。 あれ? みゅうちゃんがわたしの方を...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第47夜

 概要:   翔吾さんの発した言葉が頭の中をぐるぐるまわる。 『近いうちに、お母さんに会わせてもらえないかな?』  気後れしてるわたしを翔吾さんが不思議そうな面持ちで見つめている。  いい、ともいや、とも言えずわたしは薄ら笑いを浮かべてしまっていた。 「……なに? 急に」  ようやく出たのはその言葉。  翔吾さんは目をを眇めて小さく首を傾げた。 「急にってことはないだろう? 前にも言ったし……それに子どももほしいし、...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第4章 第46夜

 概要:   どこかで携帯が震えている音がする。 わたしのかな……? それとも……。「――はい……え? 寝てた」  翔吾さんの携帯だったみたい。話し始める声がする。しかもしっかり寝起きの声で不機嫌そう。 再び布団にもぐり込んで身を縮めると、わたしの左肩に翔吾さんの腕が当たった。「今日? え? これから? すでに近くにいるっ? まじでかー?」 がばっと翔吾さんが起き上がって布団が豪快に捲れた。 急に大声を出すからビッ...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第45夜 閑話 翔吾side

 概要:   雪乃が妊娠しているかもしれないと知って飛び上がったのに、生理が来たとメールがあった。 ションボリしながら移動しつつ、携帯を操作しててふと思い出す。 雪乃はなんであんなに頑なに真奈美の子どもを俺の子だと思った理由を言わないのか? 直接雪乃に訊けないのなら、真奈美に……。『へえ? 彼にはまだ言ってないけど妊娠三ヶ月なのって伝えただけよ?』 電話口で真奈美がかったるそうに零す。「そうなのか……」 何か手...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第44夜 閑話

 概要:   その日の終業前、三浦さんに話す時間を作ってもらった。 昨日のこと、ちゃんと伝えておかないといけないと思ったから。 いろいろ心配かけちゃったし……。「ん。詳しい理由はわからないけど、雨宮と仲直りしたってわけ、ね」「えっ?」 まだ何も話してないのになんでっ? 話そうとしたことを言い当てられて呆然としていると、三浦さんが苦笑いでわたしを指差した。「首元、キスマークついてる」「ええっ?」  慌てて両首を...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第43夜

 概要:  「さて、どこから聞かせてもらおうかな?」 後処理をして、わたしを低い棚の上に座らせたまま翔吾さんが詰め寄ってきた。 身体はまだ火照っている。下半身もまだジンジンしているし胸も張っている気がする。 その状態でそんな艶っぽい目で見られても……。「その前に……手伝うことって……?」「へ?」「さっき秘書室の前で言ったじゃないですかあ……手伝ってもらおうかって……」 疲労と羞恥で泣きべそをかきながら訴えると、ああ、...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第42夜

 概要:   十五階の重役室フロアから階段で連れてこられたのは地下一階の資料室。 さすがに下りでもこれだけ下りてきたら足がだるい。 ここは、初めて翔吾さんに飲みに誘われて、メアドを渡された場所。 ここは鍵がないと開かないのに。 そう思っていた、ら。目の前で鍵が開けられた。 うっ! なんで資料室の鍵を翔吾さんが持っているの?  少し乱暴に背中を押され、資料室に押し込まれた後、背後で内鍵を閉める音がした。「え?...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第41夜

 概要:   翌日の昼休み。 わたしは気合を入れて秘書課へ向かった。 オフィスを出る時、翔吾さんは係長と話しているようだった。 対応してくれた秘書さんも美人でビックリしてしまう……同じ人間とは思えない。 スタイルもよくて、同じ制服を着ているのに全く別物に見えてしまう。 わたしみたいな寸胴が着るのと訳が違う、ウエストの括れやヒップの締まり具合が……わたしはエロ親父か!「風間さん? どうしたの?」 秘書課の扉を開け...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第40夜

 概要: 『行かないで! 行かないで!』 白い半袖のワイシャツ、その広い背中を追うわたしの姿。 つんのめりそうになりながら、よく履けていないサンダルで走る。 でもわたしの言葉なんて……届かない。『――――お父さん!!』「……きの……ゆきの!」 急に大きな声で名を呼ばれ、正気に戻った。 わたしの顔を翔吾さんが覗き込んでいる。 その顔は驚愕を表し、かなり蒼白しているように見えた。目の前が白っぽい膜で覆われたようになってい...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第39夜

 概要: 「――――あ」  気がついたら三浦さんの家のリビングのソファで横になっていた。 身体には毛布がかけられて……。 向かい合わせに置かれたソファに三浦さんも眠っている。 テーブルの上にはビールの缶とわたしが飲んだチューハイの缶が乱雑に置いてあった。 部屋の電気は落されていて、部屋の隅に置かれたオシャレな黒のライトだけつけられている。 そっか、あれから三浦さんの家に来て飲んで……それから記憶がない。 服の乱れは...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第38夜 翔吾side

 概要:   あれから雪乃は電話にもメールにも出ない。かろうじて電源は着いているけど。 何があったんだろう。急用だなんて。 しかも今日帰らないかもしれない? 誰かと一緒なのか聞いても何も答えないし。 嫌な予感しかしない。だけど真奈美には彼女に関わらないよう釘を刺してある。  帰っても雪乃がいないなら急ぐ必要もない。 しょうがないからクマさんの店に行って、カウンターでビールと軽く食事を済ませた。「雨ちゃん、随...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第37夜

 概要:   コートのポケットがベンチに当たっていて振動が伝わる。「風間ちゃん、電話」 三浦さんに促され、ポケットから携帯を取り出して画面を見ると、翔吾さんからの着信だった。 どうしよう……出たくない。「雨宮?」 画面を覗かれて慌てて隠すけど、もう遅い。 名前を口に出されていることですでにバレているのだから。「出なくていいの?」 震え続ける電話を握りしめてどうしようか迷っていると、止まった。 留守番電話サービ...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第36夜

 概要:   妊娠三ヶ月。 その言葉は忘れられない。 悔しくて、悲しくて目を閉じる。 一生恨んでも恨みきれない。忌まわしい過去が、甦る――「風間さん?」  海原さんに声をかけられ、ふと我に戻る。 覗きこまれるように顔を見つめられて、慌てて目を逸らした。 そうだった、ここ会社の休憩室で――「今日の昼休み、病院へ行ってね。ピンヒールはやめなさいって注意されちゃった。明日からは低い靴にしないとね」 うれしそうに微笑む...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第3章 第35夜

 概要:   わたしと翔吾さんの内緒のおつき合いがふたたびはじまった。 内緒なのはわたしがお願いしたから。 翔吾さんは納得いかないようでぶーぶー文句を言っていたけど、社内の人にはまだ知られたくない。  だから、何もかも今まで通り。 ただ、気持ちだけは通じ合っている。 わたしが熱を出して、翔吾さんが看病をしてくれたあの時。 様々な誤解がとけて、再度愛を確認しあった。 その次の日の土曜、うちを出ていた翔吾さんに...

満月の夜に見る夢は] 満月の夜に見る夢は 第2章 第34夜 閑話

 概要:   夜中、翔吾さんがベッドから下りて目が覚めた。 部屋はカーテンが少し開いていて月の光のみが照らしてくれている。「あ、起こしちゃった? 水飲む?」 裸のままの翔吾さんが振り返る。 月の光の逆光になっていてよく見えなかったけど、締まった身体つきのシルエットがやけに美しかった。 うん、とうなずいて布団を被るように顔を隠すとくすっと笑い声が聞こえた。  水のペットボトルを持ってきてくれた翔吾さんが布団に...
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